無理なく続くローリングストック|水と食料の備蓄・管理・収納術

無理なく続くローリングストック|水と食料の備蓄・管理・収納術

備蓄を始めようとするたびに、「何をどれだけ買えばいいの?」と迷ってしまうことはありませんか。

私も最初は、水からレトルト食品、缶詰まで、すべてをローリングストックで管理しようとしていました。でも実際にやってみると、全品目で消費と補充のサイクルを回し続けることは、思ったより手間がかかると感じました。

そこでわが家は今、ローリングストックと長期保存品を組み合わせる方法に落ち着いています。水や非常食の基本部分は長期保存品で固め、普段から食べているレトルト食品や缶詰はローリングストックで補う、という二段構えです。

農林水産省が推奨するローリングストックとは、「普段から使う食品を少し多めに買い置きし、古いものから食べて、食べた分を買い足す」サイクルのこと。

すべての備蓄をこれで管理しなければならないわけではなく、自分の家庭に合った使い方を見つけることが大切だと感じています。

この記事では、わが家が実践している二段構えの備蓄の考え方と、水・食料の備え方についてお伝えします。

目次

ローリングストックは『食べる・買い足す・しまう』の仕組みづくり

ローリングストックが続かない背景には、収納や管理の仕組みが整っていないことが多く、さらに全品目をローリングストックで管理しようとして負担が大きくなることも一因だと実感しています。

普段の食事で使う食品と、長期保存できる食品を組み合わせた備蓄

続かない原因は量より収納と管理の負担

備蓄が続かない理由として多いのが、どこに何があるかわからなくなる、賞味期限の確認が面倒、同じものがいつの間にか大量になっている、といった管理の問題です。

私も最初はそうでしたが、まず量を揃えることから始めてしまうと、管理の仕組みが後回しになりがちです。目標を先に立てて一度にまとめて買い込む。でも収納場所が決まっていないと、あちこちに分散して把握できなくなります。

さらに私が感じたのは、水や非常食まですべてをローリングストックで管理しようとすると、想像以上に手間がかかるということです。

わが家ではローリングストックに向いているものと、長期保存品として固定しておくものを分けることにしました。これだけで管理がぐっと楽になりました。

置き場所は一カ所にこだわらず、分散して考える

わが家は4人暮らしです。食料・飲料の備蓄スペースを一カ所だけで確保しようとすると、すぐに限界が来ます。

浩平が階段下の収納スペースにDIYで棚を作り、非常食や飲料水をまとめて置けるようにしてくれました。それ以外にも、キッチンのパントリー、玄関の収納、車の中と、場所を分けて備えています。

収納場所を分散させることには、もう一つ意味があります。地震などでキッチンが使えなくなった時でも、別の場所に備蓄があれば助かります。一カ所にまとめるより、使う場所の近くに少しずつという考え方が、わが家には合っていました。

月1回の見直し日を決める

ローリングストックで管理しているものは、定期的な確認が必要です。

わが家では年2回(台風シーズン前と年末)にしっかりとした備蓄チェックをしていますが、それだけでは追いつかないこともあります。そのため月に一度、賞味期限が近いものを確認して使う日を設けるようにしました。

長期保存品については、こまめなチェックが不要なため管理の手間が大幅に減ります。ローリングストックとの組み合わせが、続けやすさにもつながっています。

まずは水の備蓄量を決める

水は備蓄の中で最も優先したいものです。量の計算と、どんな水をどこにどう置くかを整理するだけで、備えのイメージがぐっとクリアになりました。

飲料水のペットボトルと、生活用水の容器を分けて備える

1人当たりの目安を知って家族構成で計算する

農林水産省によると、飲料用と調理用を合わせて、1人1日3リットル、最低3日分の水が必要とされています。わが家では、在宅避難も考えて1週間分を目安にしています。

わが家は4人家族なので、計算するとこうなります。

  • 3日分:3L × 3日 × 4人 = 36L
  • 1週間分:3L × 7日 × 4人 = 84L

500mLのペットボトルに換算すると、3日分でも72本。最初に計算したときは、こんなに必要なのかと驚きました。必要量を数字にしてみると、量だけでなく、置き場所や管理方法も一緒に考える必要があると感じました。

出典:農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」

高齢者・介護家庭は衛生用の水も多めに見る

介護が必要な家族がいる場合、飲み水だけでは水が足りなくなる可能性があります。排泄の介助、体拭き、手洗い、おむつ交換のケアなど、衛生管理のためにも水が必要だからです。

断水時に飲む水はあるのに体を拭く水が足りない、という状況になると衛生環境が一気に悪化します。特に高齢の方は感染症への抵抗力が下がりやすいため、衛生用の水も多めに見ておくことが大切です。

わが家では飲料水の備蓄とは別に、生活用水としてポリタンクに水を確保したり、台風接近前に浴槽に水を張ったりすることも取り入れています。

飲料水と生活用水を分けて備える

飲料水については、わが家では在宅備蓄用に15年保存の長期保存水(2L×6本入り×8ケース=48本・96L)を備蓄しています。

通常のペットボトル水の賞味期限は1〜2年です。農林水産省によると賞味期限を過ぎても品質が急に変わるわけではないとされていますが、実際にどこまで大丈夫かの判断は難しく、48本を1〜2年ごとに入れ替え続けるのは現実的ではないと感じました。

長期保存水は、通常のペットボトルより容器が厚く気体が通りにくい設計になっており、段ボールも厚く外気や異臭を遮断する工夫がされています。農林水産省も「買い換えの頻度が少なくて済む長期保存水での備蓄がおすすめ」と紹介しています。

なお、防災リュックに入れる水は通常の500mLペットボトルを使い、定期的に入れ替えて鮮度を保っています。持ち出し用と在宅備蓄用で、水の種類を使い分けているかたちです。

生活用水の備えとして、台風の接近前に浴槽へ水を張っておく方法があります。ただし、トイレを流すために使えるかは、便器や排水設備などの状態によって異なります。使用できることを確認するまでは流さず、携帯トイレなどを使います。

停電・断水でも食べられる準備をしておく

停電・断水の状況でも温かいものを食べられる安心感は、意外と大きいものです。何を使ってどう作るかを、普段のうちに決めておくことが大切だと感じています。

カセットコンロでレトルト食品を温める備えと、そのまま食べられる缶詰やビスケット

カセットコンロを使う前提で燃料と調理法を決める

わが家ではカセットコンロを庭でのBBQや日常の調理でも実際に使っており、カセットガスのストックは普段から多めに持っています。わが家はIHコンロなので、停電になるとコンロ自体が使えなくなります。

カセットコンロがあれば、停電中でも温かいものを作ることができます。

カセットガスは1本あたりの使用時間に限りがあるため、何本備えておくかを事前に決めておくことが大切です。あわせて、加熱時間の短いメニューや温めるだけで食べられる食品も用意しておくと、カセットガスの節約につながります。

ポリ袋調理で洗い物を減らす工夫を知る

断水時に困るのが食器の洗い物です。そこで役立つのがポリ袋調理(湯煎調理)です。食品用で、湯煎調理に対応していることが確認できる袋に食材を入れ、製品に記載された方法で調理します。袋のまま食器にのせれば、洗い物を減らせます。

コツさえわかれば日常のレシピを少し工夫するだけで実践できます。災害時に初めて使うのではなく、普段のうちに一度試し、袋の扱いや加熱の手順を確認しておくと安心です。

食べやすい非常食・レトルトのアレンジを用意する

わが家の食料備蓄は、大きく二つに分けています。

一つ目は長期保存の非常食で固める部分です。4人分・7日間の5年保存非常食セットを基本に、えいようかんやビスコの缶詰(5年保存)なども備えています。えいようかんやビスコは日常でも口にするものなので、両親にも食べやすく、非常時のカロリー補給にも重宝しています。

二つ目は普段から食べているレトルト食品や缶詰のローリングストックです。長期保存の非常食はあくまで基本の備えで、食事のバリエーションはローリングストックで補うイメージです。

レトルト食品の中には長期保存タイプもあり、わが家ではそれをローリングストックに組み込むこともあります。

高齢の親が食べやすい備蓄を優先する

備蓄品を選ぶとき、最初は家族全員が食べられるものしか考えていませんでした。でも両親の食事を日々サポートするなかで、これは父には向かない、母には食べにくいかもと気づくものが出てきました。

母が備蓄食品を試食し、食べ慣れた味や食べやすさを確認する

硬さ・味・塩分・温かさを意識する

父は高血圧の薬を飲んでいることもあり、塩分を控えた食事が基本です。硬いものを食べるとたまにむせることもあるため、やわらかく食べやすいものを優先しています。母もやわらかい食事が好ましく、水分はこまめに摂るよう気をつけています。

市販の非常食でも塩分控えめのものや、やわらかいレトルト食品が増えてきました。備蓄を選ぶ際は、自分たちが食べられるものだけでなく、高齢の親が食べやすいものという視点で選ぶことが大切です。

入れ歯や飲み込みに問題がある方がいるご家庭では、硬さや形状への配慮が特に重要になります。

普段から食べ慣れた物を中心に選ぶ

慣れない環境では不安を感じやすい方にとって、いつも食べているものは心の安定にもつながります。わが家では非常食を購入したら、必ず家族で試食するようにしています。

父と母が実際に食べられるか、味はどうか、硬さは問題ないかを確認するためです。非常時になって初めて「食べられなかった」では困るので、事前に確かめておくことが大切だと感じています。試食の感想をもとに、次に買うものを選ぶようにしています。

レトルトのお粥・うどん・雑炊など、普段から口にしているものを意識的に備えることで、災害時でも食事の安心感を保てるようにしています。

在宅避難を想定して3日→1週間へ段階的に増やす

最初から1週間分をそろえなければと考えると、備蓄の量と費用に圧倒されて動けなくなります。まずは3日分を目標にして、慣れてきたら少しずつ増やしていくのが長続きのコツです。

わが家では、水と食料は家族4人が7日間過ごせる量をすでに備えています。一方、衛生用品や介護用品などの生活用品は、普段の使用量を確認しながら必要量を整えています。

在宅避難の可能性があるご家庭では、食料・飲料水・生活用品が一通り揃っていることが大切です。避難所へ行けば食料があるという前提だけでは、在宅避難の備えが手薄になりかねません。

まとめ|備蓄は「続く仕組み」を先につくると、無理なく増やせる

備蓄で大切なのは、一度にたくさん揃えることよりも、日常の中で少しずつ続けられる仕組みをつくることです。

ローリングストックはその仕組みそのものですが、すべての備蓄をローリングストックで管理する必要はありません。

水や非常食の基本部分は長期保存品で固め、普段から食べているものはローリングストックで補う。この二段構えが、わが家には合っていました。

水は飲料水と生活用水を分けて考え、在宅備蓄には長期保存水、防災リュックには通常のペットボトルと使い分けるのも一つの方法です。

食料は高齢の親が食べやすいものを基準に、試食して確認しながら選ぶことが、いざという時の安心につながります。

完璧な備蓄を目指すと続きません。今日できる一歩から始めるのが、一番の備えだと思っています。

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この記事を書いた人

遥のアバター 遥 防災備蓄収納2級プランナー

高齢の両親と暮らしながら、夫の浩平とともに、毎日の暮らしの延長で続けられる防災を実践しています。備蓄や収納、介護が必要な家族との備えについて、わが家で実際に行っている工夫や取り組みをお伝えしています。

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