防災士資格|夫が全問正解を目指した理由と取得後の変化

防災士資格の取得を目指し、教材を広げて勉強する浩平のイラスト

わが家の夫、浩平は防災士です。とはいえ、防災士と聞いても「名前は知っているけれど、どんな資格なんだろう」と感じる方も多いのではないでしょうか。私も浩平が取ると言い出すまでは、よく知りませんでした。

浩平には、試験で全問正解を目指した理由がありました。そして、研修で学んだことは、身近な危険を確かめたり、家族が使う道具を選んだりするときにも生きています。

この記事では、防災士とはどんな資格なのかを簡単に紹介します。そのうえで、浩平が資格を取ろうと思ったきっかけ、全問正解を目指した理由、取得後の変化を、妻の私から見た体験としてお伝えします。

目次

防災士とは?どんな資格なのかを簡単に紹介

防災士という言葉に、少し堅い印象を持つ方もいるかもしれません。私も最初はそう思っていました。けれど中身を知ってみると、特別な人だけのものではなく、家族を守りたいと思う人が学べる資格でした。

防災士は国家資格ではなく民間資格

防災士は、特定非営利活動法人である日本防災士機構が認証している民間資格です。自助・共助・協働を原則に、家庭や地域などで防災に取り組むための意識と、一定の知識・技能を身につけた人として認証されます。

浩平の防災士証の表面と裏面。氏名・登録番号・顔写真は加工で非表示

この基本理念の中で、まず大切にしたいのが、自分の命と安全を守る「自助」の考え方です。

家族を助けたいと思っていても、自分が大きなけがをしてしまえば、支えることが難しくなります。両親との暮らしを通じて、私たち自身が安全でいられるように備えることが、両親を守るための土台になると感じます。

資格取得には、原則として次の3つの条件を満たし、認証登録を申請する必要があります。

  1. 日本防災士機構が認証した研修機関で、養成研修講座を履修する
  2. 防災士資格取得試験に合格する
  3. 所定の救急救命講習を修了する

知識を学ぶだけでなく、心肺蘇生やAEDの使い方などの実技も学ぶ。そこまで含めて防災士なのだと知って、私は思っていたよりずっと実践的な資格なんだなと感じました。

資格取得の流れと費用の目安

浩平が取り組んだ流れは、大きく三つでした。まず、自宅に届いた教材を使って、事前の課題に取り組む自宅学習。

次に、2日間の会場研修です。浩平が受講したコースでは、1日目に救急救命講習が組み込まれていて、2日目の最後に試験を受けました。その後、合格を経て認証登録へ進む、という流れでした。

費用は受講先によって異なります。たとえば、防災士研修センターでは、研修講座受講料・試験受験料・認証登録料を合わせて63,800円と案内されています(2026年10月25日確認)。

なお、日本防災士機構は、2027年4月1日から教本代・試験受験料・認証登録料などを改定すると案内しています。申し込む際は、受講先の最新料金を確認しておくと安心です。

決して気軽な金額ではありませんし、2日間の会場研修に参加するためには、両親の介護との調整も必要でした。

通院は基本的に平日だったので、研修に参加する日は、訪問看護やデイサービスを利用して予定を調整しました。学ぶ時間をつくるために、家族の暮らしをどう支えるかも、わが家にとって大事な準備でした。

出典:日本防災士機構「防災士とは」/「防災士になるには」防災士研修センター「資格取得費用について」

浩平が防災士を取ろうと思ったきっかけ

浩平が防災士を目指した背景には、各地で起きる地震を知るたびに感じていた思いと、両親との暮らしがありました。

各地で起きる地震と、両親との暮らしがきっかけに

幸い、私も浩平も、これまで大きな震災を経験していません。

私たちは子どものころから、自分たちの暮らす地域では、大きな地震がいつ起きてもおかしくないと思ってきました。

国内の各地で起きる地震の被害を知るたびに、日本は地震の多い国なのだと改めて感じ、今まで以上に備えておきたいという思いが強くなっていきました。

そこに、両親との同居や介護が重なりました。車椅子の母と歩行器の父を連れて、もしものときにどう動くのか。自分たちのことに加えて、両親の安全も考えると、今まで以上に備えておきたいと思うようになりました。

南海トラフ地震などに備え、家族のためにできることを増やしておきたい。そのために防災をきちんと学ぼうと考えたことが、浩平の資格取得につながりました。

防災士試験の難易度と合格率|浩平の受験体験

防災士の試験は難しいのか。これから受けようか迷っている方には、気になるところだと思います。ここでは、公表されている試験の情報と、浩平の受験体験をご紹介します。

防災士試験の形式と、公表されている合格率

防災士の試験は、三つの選択肢から正解を一つ選ぶ形式で、30問中24問以上の正解で合格です。日本防災士機構が公表した2025年度の合格率は91.9%でした。

合格率は高いものの、それだけを見て簡単だと判断せず、事前に学習しておくことも大切だと感じます。

出典:日本防災士機構「防災士になるには」/「2026年度のお知らせ」

防災士試験の過去問はある?浩平が勉強に使ったもの

防災士試験の対策として、「過去問題」や「予想問題」を掲げた市販の問題集も販売されています。

ただし、日本防災士機構は過去の試験問題を公開しておらず、機構自身が問題集を用意しているわけではありません。また、試験の問題用紙は回収されるため、持ち帰ることもできません。

出典:日本防災士機構「よくあるご質問」

浩平が受講した当時の履修確認レポートは、防災士教本の全21講と補講4講に対応し、空欄に適切な語句を記入する形式でした。

空欄は、ざっと数えて274か所もありました!
教本をしっかり確認しながら取り組む内容になっていました。

浩平はこのレポートを基本に、防災士試験対策ブックも使いながら、何度も繰り返し勉強していました。

浩平が受講時に使用した2024年度版の防災士教本、試験対策ブック、履修確認レポート

全問正解を目指した理由と、届いた合格通知

浩平が全問正解を目指したのには、理由がありました。

問題用紙を持ち帰れないことに加え、浩平が受けた試験では、合否結果が届いても、どの問題を間違えたのかは分かりませんでした。

たとえば、最後まで答えに迷った問題が二つあったとします。全問正解なら、その二つも含めて、選んだ答えがすべて正しかったと分かります。

けれど、全問正解でなければ、迷った問題を間違えたのか、自信を持って答えた別の問題を間違えたのか、確かめられません。

自分が選んだ答えを曖昧なまま残したくない。それなら全問正解を目指そう、というのが浩平の考えでした。

理由を聞いて、いかにも浩平らしいなと思いました。
そして、届いた合格通知には「全問正解」と書かれていました!

全問正解と記載された浩平の防災士資格取得試験の結果通知

学んだことを、わが家の備えに生かす

ここでは、わが家で行った防災散歩と、救急救命講習で学んだことを振り返るための工夫をご紹介します。

防災散歩で気づいた、地図だけでは分からないこと

家のまわりや避難するときに通る道を、実際に歩いて確かめておく「防災散歩」。地図を見ながら考えるだけでなく、自分の目で周囲の様子を確認することも大切だと感じます。

浩平と二人で歩いてみると、歩道の段差や、古くなって引っかかりやすい側溝のふた、夜になると暗くなる区間など、気をつけたい場所が見えてきました。

たとえば、普段は道路より低いところを流れている水路も、大雨で濁った水が道路まであふれると、道路との境目が分からなくなることがあります。普段の景色を知っていても、水につかると見え方が変わってしまうのです。

晴れた日など安全なときに、ハザードマップと実際の道を照らし合わせながら、「大雨になったら、この場所はどうなるだろう」と考えて歩いてみる。そうすることで、地図を見るだけでは気づきにくい危険にも目を向けられると感じます。

わが家では、台風などで両親と早めに避難するときは、車での移動を考えていました。

普段は問題なく車で通れる道でも、災害時には通れなくなることがあります。また、昼間には見えている道路の端や水路も、夜間には分かりにくくなります。車での避難を考えるうえでも、普段と条件が変わったときに、どのような危険があるのかを知っておくことが大切だと感じます。

ハザードマップを使って地域の災害リスクを調べる方法は、こちらの記事で紹介しています。

救急救命講習で学んだことを、あとから振り返れるように

1日目の救急救命講習では、心肺蘇生やAEDの使い方を、時間をかけて丁寧に教えていただいたそうです。講習内容を振り返るための資料も受け取っていました。

浩平が受講した心肺蘇生・AED講習会の修了証。氏名は加工で非表示

心肺蘇生・AED講習会の修了証(2024年5月18日)

ただ、講習から日がたつと、学んだ内容を忘れてしまうこともあります。正直なところ、資料やテキストで繰り返し確認しておかなければ、実際に手当てが必要な場面で、講習で習ったように動くのは難しいと感じます。

浩平は、いざというときに学んだことを少しでも生かせるよう、東京法令出版の『応急手当講習テキスト ~救急車がくるまでに~』を購入し、講習で受け取った資料とともに手元に置いています。

復習用に購入した東京法令出版『応急手当講習テキスト ~救急車がくるまでに~』の表紙

一度習って終わりにせず、あとから復習できるようにしておくことも大切だと感じています。

防災士を取得して感じたメリットと、わが家の変化

浩平の資格取得を振り返ると、わが家にとって大きかったのは、学んだことを暮らしの中でどう生かすかを考えたことでした。ここでは、妻の私から見た変化をお伝えします。

浩平に届いた防災士認証状と登録完了の通知。氏名・登録番号は加工で非表示

防災士認証状と登録通知

防災士は役に立たない?わが家で感じたこと

防災士について調べていると、ときどき「役に立たない」という言葉を見かけることがあります。けれど、わが家では、研修で学んだことを実際に試したり、あとから振り返ったりする中で、役立つ場面がありました。

防災散歩で周囲の危険を確かめたことや、救急救命講習で学んだ内容を振り返れるよう、配布資料に加えて復習用のテキストを手元に用意したことも、その一つです。

資格を取得しても、それだけで家の備えが整うわけではありません。学んだことをわが家の事情に合わせて取り入れていく。その積み重ねに意味があるのだと感じています。

道具を選ぶとき、私にも使えるかを考えるように

浩平は、もともとキャンプやアウトドアグッズが好きです。そうした道具には、災害時にも役立つものがたくさんあります。

防災を学んでからは、道具を買うときに、自分が使いたいかだけでなく、私にも使えるかを以前より考えるようになりました。もちろん、すべての買い物でそうしているわけではありません。それでも、使う人のことまで考えて選ぶようになったのは、私から見た変化の一つです。

まとめ|防災士の学びを、わが家の備えに生かす

浩平が防災士を目指した背景には、各地で起きる地震への思いと、両親との同居や介護がありました。以前から続けてきた備えを、家族の事情に合わせて、さらに考えておきたい。そのために、防災をきちんと学ぼうとしたのです。

試験で全問正解を目指したのも、迷った答えを曖昧なまま残したくないという理由からでした。

取得後は、防災散歩で身近な危険を確かめたり、救急救命講習の内容を復習したりと、学んだことを暮らしの中で生かしています。道具を選ぶときに、私にも使えるかを以前より考えるようになったことも、その変化の一つです。

資格を取得したあとも、学んだことを振り返り、家族の状況に合わせて備えを見直していく。これからも、そうした積み重ねを大切にしていきたいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

遥のアバター 遥 防災備蓄収納2級プランナー

両親との暮らしや介護の経験をもとに、夫の浩平とともに、毎日の暮らしの延長で続けられる防災を実践しています。備蓄や収納、介護が必要な家族に合わせた備えを中心に、わが家での工夫や防災に役立つグッズの情報をお伝えしています。

目次